三番街
デコメ日記
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[100]Alexey(創作)
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―――――




(Age:5)




きょうのゆめに、またきんいろのおにいさんがでてきました。

おとうさんとおかあさんにはなしたのだけど、あれくはまだきんぱつのひとなんてみたことがありません。

どこでみたのかしらと、おかあさんはふしぎがってました。

あれくもふしぎでした。

だってそのおにいさんは、あれくのなまえをしってるんです。

おとうさんとちがう、かっこういいわらいかたをするんです。

くちのはしっこを、くいっとおしあげて、きれーなまっさおのおめめを、きゅってほそめて、まゆげのあいだをきゅっとちいさくして、とくいそうにわらうんです。


あれくはそのわらいかたがすごくかっこういいとおもいました。



おかあさんは、よち?とかいってました。


いつかあれくが、そのおにいさんにあえるんだって。



あれくはまたそのおにいさんにあいたいです。



かっこいいわらいかたを、あれくもまねてみることにしました。
へんなかおだととうさんにわらわれました。


あのきんいろのおにいさんだとかっこいいのに、へんなの。


またわらってみました。

にんまりほっぺがもちあがりました。
むにむにほっぺをおしてみます。
なんかちがうきがする。
おにいさんのは、もっとしゅっとしててかっこういいんです。


あれくのかおじゃできない。
あれくがこどもだからなの?



きんいろのおにいさんに、あれくはいつかあえるのかなぁ。



『その人のお名前はなんていうの?Alexey(違う筆跡)』

『そう。Guidorさんていうのね』

『私たちはね、猫と同じで予知ができるのよ、Alexey。
いつか会えるわ、きっと。
どんな形で会うのかしら。
お友達になれたら良いわね』



おかあさんへ。

おともだちじゃないよ。

あれくとそのおにいさんとね、あいぼうになるんだ!



(奇跡的に残っていた羊皮紙。子供の筆跡と女性らしい筆跡が残されている)





――――――





荷物を漁っていたら子供の頃の日記を見つけて、吹き出した。



Guidorだと?



金髪で、青目で?

日記の描写を辿って表情を作ってみる。


眉を寄せて、目を細めて、口角を押し上げる。得意気に。
私が浮かべていたのは、多分シニカルな笑顔だ。




…………何てこった。




ガキの頃格好良い!と思ってやってた表情は、夢に出てきた相棒の表情を真似たものだったのか?


というか夢で見てたのか。



なんというか……。



運命めいたものを感じるな。

フェリダエは地震や気象異常、死期を予知すると言われる。

その第六感の一端がガキの私に千年先を見せたと言うのか?


ガキの私は、第六感で見た夢で多分『相棒』呼びをしていたGuidorと『あいぼう』になる、なんて意気込んでたわけか。


ちょくちょく、夢は見ていただろう。

まさか、相棒を見ていたなんて。



相棒は私に一目惚れしたなんて嬉しいことをいってくれたが、

私は、千年前に恋に落ちていたのかもしれない。


これじゃどっちが先に惚れたか何て解らないな。


小さな私は、千年後の貴方を見て憧れをもち、


貴方は千年後の路地裏で、薄汚れた私の手をとってくれた。






――――まるで、おいかけっこのような恋だ。






なぁGuidor。

もし何年先でも何年前でも、私は、貴方を好きになったんだろうな。

―――貴方は、どうだと思う?






(百ページ記念企画終了。
次回から通常の日記に戻る)

――――――

08/22 17:33
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