男と男の体験談目撃談友情小説B
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体験談目撃談友情小説

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再会と別れ-スピンオフ-
【その他】
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「先生…急患の患者さんのカルテです。病室は801号室です。」
看護師が俺を見つけると同時に忙しそうに渡してきた。

今日は特に入院する患者が多くて俺もあちこち動き回っていたから
看護師も探すのに手間がかかったのだろう。

俺は急いで801号室へ向かうためにエレベーターに乗った。
この瞬間だけが少し休息できるといっても過言ではない。

渡されたカルテを開く
『年齢は俺と一緒か…ん?この影は…俺と同じ年なのになぁ…
俺も若くないってことだろうか…』
俺はレントゲンの写真とカルテの症状を見ながらため息をついた。

この患者の病気を考えると自分自身も何か戒められるような気になった。
そう…この病気は俺にとって1番嫌いな病気だ。でも、この病気が俺の専門でもある。

こんな病気この世からなくなればいいのに…。

この病気を前にすると、いくら日々進歩している最先端の医療技術といっても何かまだまだ頼りない…そして医師としての自分の無力さを痛感させられてしまう。

それに、俺はもうこの病気で大切な人を失いたくはない…


俺はこのとき患者の名前を見なかった。そこまで気を使ってる余裕がなかったからなのか、
この病気に気をとられていたのか…俺は片手でカルテを眺めながらもう一方で
部屋のドアを開きながら「担当医の崎田です」との言葉を発した。

すると、聞き覚えのある声で「崎ちゃん?」と声が返ってきた。
俺は目線をカルテから患者へと向けた。俺はびっくりして目を丸くしてると
「やっぱり崎ちゃんだ。久しぶりだね…」そういってその患者は微笑んだ。
俺はカルテへとまた目を向ける…するとそこには「上杉圭吾」と書かれていた。

この患者…上杉圭吾は大学時代の俺の彼氏だった。大学のサッカーサークルで知り合って仲良くなるうちに俺は圭吾のことが好きになっていった。
そしてある日、うちで飲んでるときに俺は酔った勢いでキスしてしまったんだ…。

お互い酔った勢いがあったからなのかその日俺達は結ばれた。

朝、目が覚めると、目の前には、俺を見つめる圭吾の瞳があった。

「今日から、崎ちゃんは俺の彼氏ね。」
俺は、すごく幸せだった。好きな人との繋がりが出来ることがこれほどうれしいものだとは知らなかった。

しかし、俺の思い描いた関係はそう長くは続かなかった。

コイツはすぐに浮気してはまた俺のところにもどってくるような奴だった。

でも、俺はコイツのことが好きだったから圭吾が俺のところに帰ってきて
くれるだけでもうれしかったんだ。それに、最後はきっと俺のところへ戻ってきてくれるってへんな自信もあった。

だけど、俺が大学に残って、こいつが東京に就職が決まるとさっぱりと連絡をとることもなくなっていた。

勝手に、圭吾に裏切られたという気持ちばかり大きくなっていた。
大好きだったからこそ…愛していたからこその思いばかり強くなっていった。


そいつが今俺の目の前にまた現れた。そして、コイツは病気だ…しかも…

「俺、商社に就職して、今主任なんだぜ。崎ちゃんは立派なお医者さんになったんだね。」

俺「プライベートな事はもう関係ありません。今、私はあなたの主治医ですから」

「そう堅いこといわないでさ…久しぶりにあったんだし。俺の病気もたいしたことないんだろ?仕事があるから早く退院したいんだけど。」

俺はそこで彼に真実を打ち明けられなかった。

俺「一応検査をしますので1週間は入院してもらいます。では、私は次の患者のところにいきますので、何かありましたらナースコールでお知らせください」

俺はあの場所からすぐに立ち去りたかった。あの場所にいたら、ぼろがでてしまうきがした。

俺の元彼に俺はガンの宣告をしなければいけない…俺はどうすればいいんだろう…
俺は平常心で患者と主治医の関係のままで全てを終わらせる自信がなかった。
他人行儀な態度で接しないと…自分を保つことが出来なかった。

昔のまま変わらない笑顔…俺はあの笑顔が大好きだった。

翌日、また801号室を訪れる。点滴の出具合を確認してから
俺「心音を確認するので服を脱いでください」ボタンをはずすと、少し痩せはしているものの、あの当時とあまりかわらない体が現れた。

俺は何度この体を抱いたのだろう…圭吾とはすごく体の相性が良かった。すごく懐かしい気持ちになった。

俺の手が冷たかったからなのだろうか、「アッ」と声を漏らした。
俺はその声にドキドキしてしまう。そして聴診器を動かすたびに圭吾は体をびくつかせていた…昔も体…すごく敏感だったけな…。

そんなことを考えていると聴診器をもつ手に圭吾が手を重ねて、
「崎ちゃん…俺の心臓…すごくドキドキしてるでしょ?」
そう言ってる圭吾の顔はすごくいやらしかった。

「崎ちゃん…俺…」

俺は圭吾が話し終える前にあわてて部屋から飛び出した。

そしてトイレに駆け込んだ。俺のアソコは痛いほど大きくなっていた。大きく深呼吸をする…それでも、圭吾の顔が…声がよみがえってくる。

圭吾の体も声も…あの目も…俺達が愛し合ってたときとまったく変わってない。

俺はまだ、圭吾のことが好きなのか?


あんな顔で迫られて我慢できる自信がなかった。
いや…あともう少しあの場所にいたら…俺は圭吾に手をだしてしまっていたかもしれない…。

翌日、俺が入ると圭吾はいつもうれしそうな顔をする…俺にとってはどう反応していいか困る。しかし、その日も誰もお見舞いに来ていなかった。俺は少し不審に思って…

俺「家族の方に連絡をとったほうがいいと思いますけど」

「俺…家族いないんだ。俺…一人っ子だったし…去年母ちゃんが死んだから…」
そうつぶやく圭吾はすごく寂しそうだった。


圭吾が入院してから1週間がたった。

俺はまだ圭吾にガンだと伝えていない。
ただ、検査のためだと言って入院させていた。 本当は伝えなければいけない。
家族がいないということは本人に直接伝えるしかないのだ。

圭吾だから伝えることができないのだ…圭吾に…元彼に…そして大切な人にその宣告をすることはものすごく辛い。

圭吾の病室の前、ドアの取っ手に手をかける。
ふぅっと息を吐く…。今日こそ、伝えないと…。

部屋に入った瞬間、圭吾は今までとは違った。

いつもは笑顔で迎えてくれるのに俺の顔をみるなににらんでこう言った

「崎ちゃんの嘘つき!!俺…癌なんだろ?…崎ちゃん、腫瘍専門医だって看護師さんが言ってた。」

03/27 01:05 PC[]

【コメント/感想】

[1]名前
よくもまぁこんな下らない妄想を。。
11/06 09:20 PC[]

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